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4話の金剛インコとの婚姻同盟;
空を飛ぶ金剛インコに「せめて幾ばくかのビールを恵んでおくれ」と声をかけた。その夕、綺麗な娘が桶を肩に、村の入り口で待っていた。インコ娘とモンマネキは婚姻に至る。破局の理由はモロコシ一本でビール桶5本が溢れるまで出来てしまうインコの(高等)技術を知らずに、モロコシが山と残っているを見た姑は「下準備をさぼった」と曲解し、怒ったから。インコ嫁は沐浴に出て帰らず飛ぶ空からモンマネキに謎の言葉を伝える。
« Si tu m’aime, suis-moi ! Trouve le
laurier dont les copeaux se transforment en poissons » 「私を愛するなら、私の言葉通りにして。この世のどこかに「月桂樹laurier」がある、その木屑が魚に変わる」(19頁)
« Monmaneki courut en tous sens à
la recherche du laurier、Il abattit vainement plusieurs
arbre à coups de hache. Enfin, il en trouva un dont les
copeaux devinrent des poissons quand ils tombèrent dans l’eau »
モンマネキは四方八方、月桂樹を探し回った。空しく幾度も木を切り倒したはてに、やっとの事でその木を見つけ出した。幹を穿ち水を貯め(カヌーの製作法)木屑を浮かべると魚に変わる。この世に生まれたばかりの魚、獲る技法はカヌーのアカ水からすくい上げるだけ。とある男が義弟(インコ妻の弟)にちょっかいを入れて、カヌーから放ち魚は川に逃げ出した。これが魚とカヌーの起源、簡単には魚を漁獲できない由縁がカヌーからの魚逃げ出し。
モンマネキはインコ妻を探す旅にでる。
義弟をカヌーの舳先に着かせ己は艫に。
« Enfin, ils arrivèrent
au pays où la femme-ara s’était réfugiée. Toute la population accourut sur la
berge pour voir la pirogue et ses passagers, mais la femme de Monmaneki se
cacha dans la foule » 川を下ってインコ妻の村にたどり着いた。 (この世で初めての) カヌーを見るため多くの村人が岸辺に寄せた。インコ妻は女の姿に化けて群衆に紛れる。
めざとく姉を見つけた義弟はインコに戻ってその肩に留まる。一人で操るカヌーが転覆し川に投げ出されたモンマネキもインコに変身して妻の肩に留まる。(カヌーpirogueは舳先に助手を配置する、艫の漕ぎ手のみでは安定しない事情を語る) 。しかし縒りは戻らずインコ姿で村に戻った。漕ぎ手を失ったカヌーは沼に流され湾処(ワンド、魚が卵を産み付ける溜まり)に変身した。
この第4話が何故、獣婚と人と人の婚姻の中間に当たるのか。前の3話はカエル、蜜吸鳥、地虫との婚姻で、5話は「人の女らしき」との結婚だから位置としては中間、それだけでは説明が足りない。レヴィストロースも頁を割いて語るが、簡潔に答を探る。M1神話が答を示唆する。
M1(及び派生)。母子婚を犯したバイトゴゴは崖の頂上に取り残され、ジャガーに助け出される。ジャガー宅では妻(人の女)に邪険にされ、習い覚えた弓矢で彼女を射殺し、村に戻る。洪水が村を襲い彼と祖母だけが生き残った。
M354モンマネキ神話4話。きっかけは獣(金剛インコ)婚を否定する老母の差し金。インコは魚の創造方法を教えるが、義弟の裏切りで魚が川に放出されてしまう。妻を追って川を下る。モンマネキがインコに変わることで同盟一旦成立するが…
M1とM354を比べると;
近親姦に対して獣姦
ジャガー(狩りの技法を伝授)に対してインコ(魚の創造を教わる)、
洪水により村が全滅、インコとなって人間界から逃避。
両神話ともにきっかけの禁忌犯し、主人公の疎外、文化の伝授が共通。旧来(自然、連続性を)環境の尾を引く人間社会を否定し、真の文化に移行せむとする訴えかけが共通と認められる。
この内容は続いて紹介するアサワコ神話とあわせて、自然から文化への図表PDFを作成した(本書117ページの原図に一部注釈)。クリックを。
モンマネキ神話を伝承したTukuna族をWikipediaに訪ねると、ブラジル(アマゾニア)ペルー、コロンビアでかつて有力先住民であった。現在も同地区に4万を超す人口を数える。族内婚を実践している、言語的には孤立しているとある。Tukana族の居住地はアラカルトで。
モンマネキの失敗 了 (2023年9月30日)
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