| 部族民通信ホームページ 投稿 令和7年9月10日 発足開設元年6月10日 |
サイト主宰 蕃神(ハカミ)義男 |
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| プトレマイオス天動説は複雑だった(野生の思考具体科学の余波考) | |||||||||
![]() ネタ本はアストロラーベ(フォーク著松浦訳、柏書房)無知なる部族民を刮目さしめた名翻訳です |
(2025年9月30日、GooBlog開設6209日目、最終投稿)
Youtube人類学講座2025年10月学期(本年10月14日開講)で野生の思考・具体科学を動画にて開陳(クリック)しております。 「見た目」で太陽、惑星は地球を回る。天動説は具体科学の思考方法から抜けだせないから、見た目通りの観察で「天球が回る」にとどまる。それでは惑星の停止、逆行が説明できない。プトレマイオス(古代ギリシャ、エジプトで活動)は「逆行運動を説明のため、中心からずれた導円と、その導円上を公転する円を導入し…」 上の引用(Google AI)ではあたかも「そうだ、惑星を天空回転と自分の回転(周転円)の二重回転体にすれば説明できるジャン」単純思いつきの感が拭えないプトレマイオス先生。さらにGoogleAIは; 「コペルニクスは惑星運動の央点に太陽を置き、水金地火の順に惑星を置くと、逆行などの不規則運動を説明できるとした」(同) ここにおいても「思いついた、太陽を中心にすればいいジャン」と明快ながら単純一方向の精神作用で科学史を塗り替えたかに受け止められる説明です。両の学博は当代一流の数学者にして天体観察者、この程度の思いつきで思考するとは考えられないので、彼らがいかに呻吟して自説にたどり着いたか、なにかネタ本無いかなと思案した挙げ句… アストロラーベ(フォーク著松浦訳、柏書房)に行き着いた。 プトレマイオス、ヤッベーほど複雑でした。 図は本書349ページのデジカメ(著作権は柏書房、商業目的ではないので乞う黙認)。大きな円は従円(天球と同期して黄道を回転移動する惑星の公円)、小さな円が周転円(惑星独自の回転)。2が単に組み合うだけでは惑星の停止、逆行は説明できない。破線の斜め直径を想定する。3の黒小点D,T,Eが仮想される。中央Dは従円の中心。ここには誰もいない。観察者(地球に住む)が天球を見ているのは円心を外れたT(地球terre)から。図を時間進行させると惑星はA(左上)に向かう。惑星位置はTから遠いので速度(角度進行)は緩やか。周回円の角度は従円のそれを打ち消す方向に働くから、惑星は動き(角度)をさらに遅くする。A点で惑星は停止する(かに見える)。A点を越すと周回円の角度進行が更に優勢となって、惑星は逆行する。Aの対極点では従円と周回円の速度が相乗するから、惑星運動は速い。 「天球の惑星運動のふらつき。これは二重円の角度進行の相乗、打消という錯覚を我々が見ているのじゃ」(プトレマイオスが弟子にそのように教えたと伝わる) 彼はE点(エカント、Écaent)を想定する。我らが地球とは中心点を挟み逆の点で、そこでは両円の角度進行が地球とは逆に相乗する。すなわちA点の近辺で従円の角度進行が速く進むに合わせ、周回円の打ち消しが働くから速度は一定。同じ原理でAの対極点では速度の相乗となるから、ここでも一定。(左パワポ2葉クリック)
プトレマイオスは数学者にあるから、DとTの離反距離、同じくEの離反も計算したであろう。 ケツローン:惑星は常に一定の角度進行を演じている、しかしD点(天球の中心)でもT点(地球の宇宙座標)でもそのようには観察できない。だからEのエカント点(平等点)から「惑星を見れば、惑星の本来運動、常に一定速度で天球を駆け巡る、これが観察できるのじゃ」と教えた。 「すっげー」(弟子たち) エカレントは本書に接して初めて聞いた語です、さすが古代一の天文学者です、惑星の不可解運動をすっかり説明した。大喜びしたのは「占星術師」、見かけの惑星位置はFakeなので拘ることはない。正しい惑星の位置は従円と周回円の位置で決められるから、それを元に占星するのじゃ。 しかしプトレマイオスの天球には批判が多かった。 1 従円と周回円の力学作動原理がない(多くの古代天文家は単円と格闘していた) 2 誰もすまないエカレントなどを持ち出す、空理空論じゃ 具体科学原理の最高傑作、しかし無理が重なったようで、コペルニクスの地動説に敗れた。了
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![]() 上図は天動説として一般に知られている惑星の2重回転運動。地球は天球の中心に置かれる。しかしこれはプトレマイオス(古代ギリシャ)が説明した天球(地球はその中心にはいない)と異なる。 キリスト教が改竄したと思う。 ![]() 地球が天球の中心に置かれると 惑星の偏心運動(停滞、逆戻り)が説明できない。プトレマイオスは地球の位置を中心からずらした上、エカント点を 仮想した。 ![]() エカント点に立てば 惑星の動きは変則しない。 (上下の図クリック拡大) ![]() (上下の図を掲載したPDFはこちら) |
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