部族民通信ホームページ   投稿2023é年10月15日  開設元年6月10日
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「新大陸神話の北上」最終楽節フィナーレから 補遺
 
   

南北の伝播を証明する神話を紹介する。

M660 Klikitat族(北米太平洋岸、今のワシントン州に居住);隠された妻

鷲とスカンクは兄弟。鷲が狩りに出ているあいだスカンクは妻を娶った。鷲が戻り獲物を床において寝入った。スカンクは(小屋の)暗がりのなかで妻と喋り込んだ。翌朝、鷲はスカンクに、夜中に誰と喋り、笑っていたのかと問うと<Je ris parce qu’une souris vient me voir, me court sur le visage>ネズミがやってきて顔の上を走ったから笑ったのさ>(37頁)

M95 Tukuna族(南米アマゾニア):Umari木の娘

兄弟Epi(穂)に知らせずにDyaiがびっくりするほど美しい娘を嫁にとった。彼は娘を手に挟んで転がし、小さくして横笛(umari木で出来ている)の中に隠した。4日目の夜、Dyaiは嫁を笛から引き出し己のハンモックに導き、声も立てずに嫁を楽しんだ。5日目の夜、小さな貝を重ねた腕飾りが揺れ音を立てた。クッスと嫁が笑ってしまった。翌朝、誰かが笑ったな、誰と一緒だったのかとEpiが尋ねると<c’est le balai qui rit parce que je l’ai chatouillé>箒さ、くすぐったら笑ったのさと答えた。(同)

Dyaiはオッポサムと文脈から伺える。スカンクと同列で狡猾で「臭い」が属性。すると南北の両神話は筋立てが共通するのみならず、登場者の性格(propriétés)においても対象的と言える。これを南北伝播の一例としてレヴィストロースは挙げた。

 

「新大陸神話の北上」最終楽節フィナーレから 補遺 了2023930日)